食物繊維を摂りやすい食事は?
多くの人が毎日のように食べている白米には、食物繊維はそれほど含まれているわけではありません。
押し麦
食物繊維を摂りやすいのは、押し麦。
押し麦には100g中、9.6gも食物繊維が含まれています。1日に3食この押し麦に加えて豆類や野菜を摂るようにすれば、ひとまず推奨の食物繊維摂取量はクリアできそうな計算です。
ライ麦パン
朝など、ご飯ではなくパンを食べるという方は、「ライ麦パン」がおすすめです。
ライ麦パンは他のパンの2倍以上の食物繊維を含んでいます。ライ麦パン2切れで約70gほど、食物繊維は約3.9gです。3切れで約5.9g。
一緒に食べる野菜なども考慮すると、そこそこの食物繊維を摂取することができます。
食物繊維のとりすぎで腹痛や便秘、下痢になる?
食物繊維には大きく分けて2種類あります。
非水溶性(不溶性)食物繊維:
・水に溶けにくい性質
・腸内のぜんどう運動を促して消化を短縮させる
野菜のスジや大豆・ごぼう・小麦ふすま・穀類などに含まれています。
シリアルの食物繊維は不溶性が多いです。
不溶性食物繊維は水に溶けないで逆に胃や腸内で水分を含んで大きく膨らむので、適量の不溶性食物繊維なら、腸内の壁を刺激してぜんどう運動を促し、食物の残りカスなどを素早く体外に排出、つまり便通を促進させるメリットがあります。
水溶性食物繊維:
・水に溶ける性質
・植物の細胞内にある水分貯蔵物質や分泌物
水溶性食物繊維はイモ類やこんぶ・わかめなどの海藻、みかんやリンゴなどの果物に多く内包されていて、目に見えるような形では存在していません。
粘性があって食べ物の水分を抱きこんでゼリー状のゲル化にします。
小腸での栄養素の消化吸収を遅らせる働きがあり、お腹を空きにくくする効果があるので、食べすぎを防止してくれます。
また、糖質の吸収も同様に遅らせるので、食後の血糖値の上昇を防ぐというメリットがあります。
食物繊維のとりすぎで腹痛や便秘、下痢になってしまうのは、主に「不溶性食物繊維」の働きによるものです。
水分不足による便秘
水分をあまりとらないで不溶性食物繊維の食品ばかりを食べていると、便への水分も不足して腸内で水分不足のために硬くなってしまって、便秘を悪化させることになります。
しかも、長い期間、腸内に便が残っているということは、良くない物をどんどん腸が吸収してしまうことになります。
身体はもちろん、美容や健康の大敵であるといえます。
消化不良による下痢
非水溶性(不溶性)食物繊維の食品をよく噛まずに食べていると、消化が悪くなって「消化不良」を起こしやすくなり、それが下痢の原因となってしまいます。
いずれにしろ、野菜や穀物など食品から食物繊維を摂取して腸内の状態をコントロールしていくのは、なかなか難しいですし、第一面倒です。
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